2007年04月25日(水) コメント:1 トラックバック:0
ぼくらののアニメも放送中の鬼頭莫宏のコマ割り(間白)は特徴的である。
「間白」とは夏目房之介によれば漫画におけるコマとコマの間隔・余白のこと。
たいていの漫画では縦の間白は狭く、横の間白は広い。
余白の発見その2では鬼頭莫宏の間白についての言及がある。
鬼頭莫宏は間白を統一せず、少しばらけた感じでコマを配置し、ちょっとした不安を作品内に常に内包している(かもしれない)。
- 通常の間白
- 鬼頭莫宏の間白
鬼頭莫宏のコマ割りがちょっとした不安
を持たせることを意図したものかはわからないが、
不統一に見えるこの間白のとり方には実は法則がある。
すなわち、時間的に連続するコマの間白が狭くなるようにされている。
このようなコマ割りはデビュー作の『残暑』や1994年の『三丁目の交差点電信柱の上の彼女』(『残暑』収録)には見られないが、 『ヴァンデミエールの白翼』(『ヴァンデミエールの翼』収録)以降に散見でき、『なるたる』では完全に確立している。
ところで、『なるたる』や『ぼくらの』しか見ずに、鬼頭莫宏をロリコン鬼畜鬱漫画家とか思っている人もいるようだけれど、 鬼頭漫画の魅力は、心理描写や構成の巧さにあると思っている。 『残暑』の短編はどれもフツーにいい話だし、 『なるたる』や『ぼくらの』には初見では気づかないような伏線が多く、繰り返し読む楽しみがある。
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